研究プロジェクト

プラントヘルスサイエンスの統合と新展開

研究プロジェクト・リーダー

前藤 薫 教授

研究の概要

人類は野生植物を栽培化することによって文明を築いてきた。植物を様々な有害生物や環境ストレスから守り、健全に育てるための知識と知恵はもともと一体のものであったが、近代科学の発展とともに高度に洗練された専門分野群へと細分化されてしまった。各専門分野はそれぞれ高度に成熟し、優れて先端的であるが、植物をとりまく複雑に絡み合った生物的・非生物環境を総合的に捉えることは苦手である。国際物流の急増にともない多くの侵略的外来生物( 害虫、病原体、競争者、それらの薬剤抵抗系統)が容易に国境を越えて拡散し、栽培植物あるいは固有在来植物の重大な脅威になっている。TPP などの自由貿易圏の拡大、さらには顕在化しつつある地球規模の気候変動が、これに拍車をかけようとしている。多様な外来生物群が厳しい変動環境下にある植物を攻撃するとき、有害生物の種類や研究方法ごとに細分化した個別科学では、それに適切に対処することは難しい。こうした未曾有の地球変動の時代にあって、栽培植物と在来植物の健全性をしっかりと守って人類の生存と福祉を確保するには、諸専門領域の壁を打破し、総合的な植物健康科学( プラントヘルスサイエンス) へと再統合してゆく必要がある。神戸大学は国際物流の拠点都市に位置しており、農学研究科は外来生物を迎え撃つ最前線である神戸植物防疫所と交流を深めながら、アジア・アフリカ地域の植物保護研究者とも親密なネットワークを築いてきた。

本研究プロジェクトでは、プラントヘルスサイエンスの再統合と新展開に向けて、まずは分子生物学の手法と生態学のロジックを大胆に融合し、植物を巡る複雑な生物間・環境相互作用の解明に取組む。

構成員

氏名 職名 所属・専攻
研究プロジェクト・リーダー 前藤 薫 教授 農学研究科・生命機能科学専攻
研究分担者 黒田 慶子 教授 農学研究科・資源生命科学専攻
杉本 幸裕 教授 農学研究科・生命機能科学専攻
土佐 幸雄 教授 農学研究科・生命機能科学専攻
森 直樹 教授 農学研究科・生命機能科学専攻
坂本 克彦 教授 バイオシグナル総合研究センター
石井 弘明 准教授 農学研究科・資源生命科学専攻
池田 健一 准教授 農学研究科・生命機能科学専攻
杉浦 真治 准教授 農学研究科・生命機能科学専攻
吉田 健太郎 准教授 農学研究科・生命機能科学専攻
研究参画者 BABIKER Abdel Gabar Eltayeb 教授 National Center for Research, Sudan
CUMAGUN Christian Joseph Rili 教授・副学部長 University of the Philippines Los Baños
TUFAIL Muhammad 教授 King Saud University

研究の概念図

プラントヘルスサイエンスの統合と新展開