研究プロジェクト・リーダー
梶谷 懐
研究の概要
神戸大学現代中国研究拠点は、2013年8月、神戸大学社会科学系教育研究府の下に、人間文化研究機構(NIHU)の現代地域研究推進事業に参加し、他大学・研究機関における現代中国を対象にした実証研究との連携を図る目的で設立された。人間文化研究機構は我が国の共同研究を進める拠点として2004年に設立された大学共同利用機関法人である。国立民族学博物館、国際日本文化研究センター、国立国語研究所など6つの機関で構成されており、2006 年度から我が国にとって学術的、社会的に重要な意義のある特定重要地域として「イスラーム地域」「現代中国」「現代インド」の3地域を選定。それぞれに研究拠点を設けて、大学や研究機関でネットワークを構築してきた。
研究拠点設立当初は、経済学研究科の故・加藤弘之教授が中心となり「中国における経済システムの持続可能性に関する実証的研究:『二重の罠を超えて』」というテーマで現代中国経済に関する実証研究を行った。 この研究の目的は、中国の国家資本主義経済が今後も続く可能性について、経済成長と制度との関係に焦点を当てて分析することにあった。中国経済が「中所得国の罠」と「体制移行の罠」の二つで構成される「二重の罠」にとらわれているとの仮説に基づいて、「二重の罠」から脱出するためにはイノベーションの促進と社会的公正の実現が不可欠であるとの立場から実証分析を進めてきた。 2016年8月、加藤教授が惜しくも逝去されたことに伴い、梶谷懐が現代中国拠点のプロジェクトを引き継いだ。また、2016年3月をもって人間文化研究機構の現代中国地域研究拠点プロジェクトが終了し、同年4月より神戸大学社会科学系教育研究府を前身とする先端神戸大学先端融合研究環人文・社会科学系融合研究領域が設立されるなど、当研究拠点を取り巻く環境も大きく変化した。 このような変化を受け、神戸大学現代中国拠点は、中国経済研究の分野にとどまらない、現代中国の歴史、政治、思想に関する第一線の研究を行っている神戸大学に在籍する研究者を新たにメンバーに加え、部局を超えた連携を図りながら、分野横断的かつ総合的な現代中国理解を目的として、研究活動を継続している。構成員
氏名 | 職名 | 所属・専攻 | |
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研究プロジェクト リーダー |
梶谷 懐 | 教授 | 経済学研究科経済学専攻 |
研究分担者 | 緒形 康 | 教授 | 人文学研究科社会動態専攻 |
〃 | 陳 光輝 | 教授 | 国際協力研究科国際開発政策専攻 |
〃 | 谷川 真一 | 教授 | 国際文化学研究科文化相関専攻 |
〃 | 濱田 麻矢 | 教授 | 人文学研究科文化構造専攻 | 研究参画者 | 王 柯 | 名誉教授 | 神戸大学 |
〃 | 藤井 大輔 | 講師 | 大阪経済大学経済学部 |
〃 | 三竝 康平 | 講師 | 帝京大学経済学部 |